ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

好きに呼ぶと良い - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

荒穂稲狐大神アラホイナリノオオカミ好きに呼ぶと良いよきにはからえ

プレイヤー:焼き鳥

私はこれでも豊穣神だったのだ!
崇め奉れ!うまいもんくれ!」

年齢
わからん
性別
考えた事もない
星座
空に浮いてる奴か?
身長
気分
体重
体による
血液型
なんだそれは
ワークス
レネビB
カヴァー
おいなりさん
ブリード
ピュアブリード
シンドローム
キュマイラ
HP最大値
33
常備化ポイント
4
財産ポイント
4
行動値
+16=19
戦闘移動
24
全力移動
48

経験点

消費
+54
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 昔からなんかいたから
人類への興味
経験 神格のレネゲイドビーイングのLINEグループがあり、年に数回温泉へ行って人間の愚痴を吐いている
仲間との接触
邂逅 知人から託された
幼子
覚醒 侵蝕値 何処ぞのお地蔵様の供え物を食ったせいだと思っている
忘却 17
衝動 侵蝕値 弱いのだから殺されても文句はあるまい
殺戮 18
その他の修正11
侵蝕率基本値46

能力値

肉体6 感覚1 精神1 社会2
シンドローム3×2 シンドローム0×2 シンドローム0×2 シンドローム1×2
ワークス ワークス1 ワークス ワークス
成長 成長 成長1 成長
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵3 射撃1 RC 交渉
回避 知覚1 意志1 調達
情報:UGN1
情報:噂話1

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 神格ディエティ イニシアチブに宣言 建物もしくはヴィークルもしくはトループを破壊(広義) シナリオ一回
青いの(鏑木 氷華) 慈愛 隔意 昔の友人に頼まれたので面倒を見てやっている
紫の(白頭 トキ) 友情 不安 気が弱いが、やる時はやる奴
寿司男 連帯感 食傷
顔の濃い男 感服 無関心
おいちゃん 憧憬 無関心
ロリコン 感服 侮蔑

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(LV)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
ヒューマンズネイバー 1
オリジン:アニマル 1 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 3 RB
シーン間素手のダメージにLV×2
完全獣化 2 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 6
このシーン中肉体判定のダイスに+[lv+2]
破壊の爪 1 マイナーアクション 自動成功 自身 至近 3
素手ステ変更、LV×2+8 ガード値1 命中0
ハンティングスタイル 1 マイナーアクション 自動成功 至近 1
離脱可能な戦闘移動、シーンlv回
コンセントレイト:K 2 メジャーアクション シンドローム 2
のもつい
グラップル 1 メジャーアクション 〈白兵〉 対決 武器 2
ラウンド間のガード値に-LV×5
フルパワーアタック 5 セットアッププロセス 自動成功 自身 至近 4 80%
白兵攻撃の攻撃力+LV×5、ラウンド間の行動値を0
疾き魔獣 4 常時 自動成功 効果参照 視界 2 ピュア
行動値に+LV×4し、フルパワーアタックで行動値が減らなくなる 基本侵食に+6
巨獣の盾 1 オートアクション 自動成功 効果参照 視界 2
完全獣化中のみに使用可能、孤独の魔眼 シナリオLV回
獣の直感 1
至上の毛並み 1

コンボ

裂爪顕現レッソウケンゲン

組み合わせ
フルパワーアタック
タイミング
技能
難易度
対象
射程
侵蝕値
4
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力

荒穂稲狐変転アラホイナリノヘンテン

組み合わせ
完全獣化破壊の爪ハンティングスタイルオリジン:アニマル
タイミング
技能
難易度
対象
射程
侵蝕値
13
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力

荒穂稲狐掌撃アラホイナリノショウゲキ

組み合わせ
コンセグラップル
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
至近
侵蝕値
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
6+4
8
3
12
100%以上
6+5
7
3
16

ダメージを与えた相手のガード値に-LV×5

神裂鉤尾シンレツコウビ

組み合わせ
コンセグラップル(フルパワー込み)
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
至近
侵蝕値
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%以上
6+5
7
3
46

ダメージを与えた相手のガード値に-LV×5

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
10 5 169 0 0 184 0/184
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

パワー系お稲荷、趣味は食べる事と散歩
支部の隣にある小さなお稲荷さんに住み着いているご当地狐(予防接種済み)として町をパトロールし、お婆ちゃんやJKからおいしいものを貰ってはお腹を撫でられる生活を満喫している。(夜には支部に帰っている)
薄れてしまった自らの信仰の糧とする為に、出会った人間に「願い事」をして貰うようにしている
「何か願い事はあるか?出来るだけ難しくなく、私でも叶えられるような物が好ましいな。」

昔話

"私"という者に自我が芽生えたのは、生まれてから4回目の冬が来た頃だった。それまでの記憶はぼんやりとしかなく、母の背中へついて回って、山菜や小さな獣を食べていたような覚えがある。
その母も私の背丈が彼女に追いつく頃に狩人に撃たれて亡くなったが。
兎に角そうして私が1匹で迎えた初めての春の事、獲物も減り、食べる物に本格的に困った私は、恐る恐る人里に降りる事にした。
人間は夜になると巣に戻って眠る、という事は何となく理解していた為、暗くなった頃を見計らい山を降り、村の端をふらふらと歩いていた。
その内何やら道の先から不思議で美味そうな匂いが漂って来たので、そちらへ寄ってみると、小さな人の形をした石(道祖神と呼ぶ事を後になって知った)の下に、何やら丸い形をした袋のような物が落ちており、漂ってきた芳香の正体はこれらしいとわかった。
食い物かどうかも分からなかったが飢えに勝てず齧ってみると、それがどうにも不思議な味がする。
外側は土のふかふかとしていてそれでいて口の中でほぐれほんのりと甘い、そして辿り着いた内臓らしき黒色の何かは風味で言えば豆に近いがまたこれほどかと言う程に甘い。
母が生きていた頃に一度食べた赤い木の実の甘さが忘れられずにいたが、そんな記憶も吹き飛ぶ程の味だった。
美味い!美味い!
瞬く間に一つ目を食べ終わり、二つ目も食べ終えた頃には満腹感と安心感で強い眠気が襲い、その場で眠りこけてしまった。
鳥の鳴く声に目を覚まし、遠くから聞こえる子供の声で意識が覚醒する。
今日の朝餉は何だったとか、友達が怪我をした、だか当たり障りの無い話をしていた。
ー話をしている?
そこで気付く、人の言葉を理解している事、目覚めてから何故か思考が明瞭な事。
身体に起きた異変に困惑するも、子供の近付いてくる足音に気付き、とりあえず人里を離れる。
それから目紛しい程の時間が経ち、己についても色々と思考や実践を持って現状を把握する事が出来た頃、いつものように饅頭を盗みに行った帰り、人間の親子が山賊に襲われているのを見かけた。
生き物は弱肉強食。母は人に殺されたが、それは人が狐よりも強いからだ、だから仕方がない。
人だって自分よりも弱い人を襲ったところでそれも自然の摂理なのだろう。それにしても、人は人までも襲うのだな、と何でもない考えが過り、私はそれを素通りしようとした。
そこで私は気付いた。私はきっとあの人間よりも強いだろう、ならばここで私があの山賊を倒すと、一体どうなるんだ?
自分ながら幼い考えだった。だが私は幼き日の母を撃った狩人を目の前の親子連れを襲う山賊に少なからず重ねていたし、何より自らが手に入れた異能の力を持って、自然の摂理を『裏切って』みたくなったのだ。
そんな思い付きで山賊を山奥まで吹き飛ばし、結果的に父を先の合戦で失くしたらしい哀れな母子を救った私はあれよあれよと言う間に母子の家へと迎え挙げられ、その最中についうっかりと人の言葉を喋ってしまったが故に最近人里に現れるとされる人語を介する狐の正体である事すら露呈し、気付いた頃には村の守り神として祀り上げられていた。
そんなこんなで今考えると完全に自業自得なのだが、ちょっとした出来心から神として崇められるようになってしまった訳だが、なんだかんだ対応に不満はなかった。社は雨風を防ぐことが出来たし、夏の暑さや冬の寒さから身を守ってくれもした。
座布団で寝っ転がっているだけで様々な食い物が捧げられるし、その中には饅頭もあったのでこれ以上いう事もない。
とはいえ神として捧げものを貰っている以上いつまでタダ飯を食う訳にもいかず、野山から降りてきた獣を狩ったり、村に近づいてきた追剥や妖術師(きっと奴らもオーヴァードだったのだろう)の一団を追い払ったり、土地を広げるのに邪魔だった岩をどかすなどして神としての体面をなんとか守っていた。
そうやって民の願いを叶える中で、時折「日照りで困っているので雨を降らせて欲しい」や、「最近魚が捕れない」等のちょっと腕っぷしのあるだけの獣には少々荷が重い相談事も混じるようになってきたが、それも気合でなんとかした。
雨を降らせる神通力など持っていなかった為近くの湖に全力で飛び込み中の水を全て吹き飛ばすことで無理矢理雨を降らせ、遠くの川から必死に魚をかき集め近くの川へ放ち、一番大変だったのは不作だっただろうか。農耕の知識など持っていないのでどうしたものかと田を眺めていれば虫が稲穂を齧っているのが見えた為稲が育つまで稲穂に付いた虫を片っ端から潰して回ったりもした。
そうして泥臭く信仰を集め続けていると、次第に神性が高まったのか、身体は見る見るうちに巨大となり、尾も9つに分かれ、神通力めいた力を行使する事が出来るようになった。いよいよ神の仲間入りという事なのか、そのころには出雲から遣いが届き、神無月には神々の会合に混ざり自分よりも高位の狐と話したり、私のような存在がこの世界にはごまんといる事を知った。
彼らも所謂RBと言う奴で、長い時が過ぎるに当たってその多くが妖に敗れたり、神性を失い狂って他の神に討伐されるなどして数を減らしていったが、今でも残り少なくなった同胞とは不思議な板(青いののあかうんと?を使用させてもらっている)でやり取りをしている。最近は船で釣りに行ったが、恵比寿が乗っていると釣れ過ぎてつまらなかった為、今度はげーせんにある釣りのげーむでもしようと話をしている。
勿論、時の流れによって変わっていくのは彼らだけではなかった。
気の遠くなるような時間の中で人は目まぐるしく変わっていく、村は町となり、馬は車となり、信仰もまた科学に置き換わり、あの時の娘の孫の孫のその孫が大人になる頃には、私の名を知っている者も数えるほどしかおらず、かつての社も朽ち果て見る影もなくなっていた。
別に彼らを恨んでいる訳ではない。川底の石も長い時を経れば摩耗するように、信仰もまた風化する。全盛期に比べればずっと力も弱まり、今や神性も殆ど失われてしまったが、堅苦しい神の責務もなくなったお陰で世俗を自由に闊歩できるようになったし、人に紛れる術も幾つか身に着けた。
人間というのは簡単な生き物だ、子狐に化ければ皆私を可愛がり食い物を分けてくれる。腹を撫でられるのも悪くない気分だ(撫でられすぎると正気を失ってしまうのは少々難点だが)。
このように好き勝手浮世を闊歩していた私だが、どうもこの世の中は金がないと生きづらく、またいつでも雨風を凌げる宿があったという訳ではない。次第に私は自分の家といくらかの路銀が欲しくなってきた。
…もしかしたら、社で暮らし人々に囲まれていたあの頃が恋しくなったのかもしれないな。
そこで私はこの前出会ったRBが言っていた「ゆーじーえぬ」らしき組織の門を叩くことにした。人間に扮し大企業の代表取締なんちゃらとして現代に適応しているらしい彼は、「その組織に加入すれば様々な労働に駆り出されこそするものの、はした金とそこそこの環境を手に入れる事が出来る。何よりどいつもこいつもバカが付くほどのお人好しだからな、悪い扱いは受けんだろう。」との事だった。隣にいた変な髪型の男もその一員だと言うが、最初はこちらを訝しげに見つめていたものの腹を撫でさせると一瞬で落ちた所を見ると成程嘘ではないらしい。
そうしてたまたまその時に門を叩いたのがこの支部で、それからは支部に住み込み甲斐甲斐しくパトロールを行い任務で功績を挙げ、こうして今に至るという訳だな。
いやーなかなか上手い語り草だろう?いずれ自伝でも書こうかと思っているんだ、もしも売れたら印税で新しく社でも建て直してやろうかと思っていてなぁ…

…なんだ?青いの

え?そこじゃない?
そもそも風花さんの話を聞きたかったのに貴方が「あまり思い出せない」と言うから、昔の記憶から順に思い出して貰うだけだった筈だと?
うーん、本当にそんな話だっただろうか…まぁ、良いだろう。お陰で段々思い出せてきた。
ー鏑木 風花。コードネーム、戦場の深紅レッドライン
いや、私が初めて出会った時は、別の名前を使っていたような気がするな…
気になるか?いや、私は忘れたが。
仕方ないだろう、UGNに来てもう随分経つのだ、多くの人間を見送ってきた。人間の名前はただでさえややこしくて思い出しにくいのだ。それにあ奴は長期の任務で滞在した支部で出会ったのだから、猶更思い出しずらいのだ。
最初の印象は…そうだな、「白いな」と、思ったな。
やめろ、そんな目で見るな。勿論あ奴の長く真っ白な髪は遠くからでも目立ち、特徴的なものではあったが、私がそう思ったのは何も外見的な所だけではない。
まだ何にも染まっていない、肩の力を張り詰めているような、必死に背伸びをしているような姿。
年頃で言えば、今のお前の見た目とそう変わらなかったと思う。
兎に角その頃のあ奴は「青臭い」と言うよりは、「真っ白」と呼ぶ方が正しい、そんな子供だった。
訓練や任務に明け暮れ、自らの存在意義に迷い、死を恐れ、それでも自分が愛した日常の為に戦う、そんなどこにでもいるようなチルドレンだったよ。
確かあ奴とは寮が同じでな、直接話をする機会こそ少なかったが、常に人を気遣っている優しい子だったよ。
しかし来たばかりの頃は随分と思い悩んでいるようだった。皆が寝静まった夜更けに、ラウンジでぼおっとどこかを眺めていた。
…声を掛けてやろうかとも考えたが、彼女が思い悩んでいるであろう事に対して、私がかけてやれる言葉は何もなかったし、彼女はチルドレンで、私は永き時を生きる獣だ。結局私は彼女に何もしなかった。いや、出来なかっただけなのかもしれんな。
これまでの生涯で数え切れぬほどの後悔をしてきたが、この時声を掛けていたら、と考える時が、今でもたまにある。
しかしながら次第にその頻度は減っていき、あ奴自身も成長していったようだ。
迷いこそ捨てきる事はなかったが、尊敬できる師匠を見つけ、あ奴なりの『道』を見つけてきているようだった。
…その道は、皮肉にも師匠の死によって定まったようだがな。
あの頃UGNはウロボロスの発現者が現れたりと混戦を極めており、死者などさして珍しいものではなかったがそれはそれ、これはこれ。この世界で出来た初めての恩人だ、それに目の前で死なれるというのは、なかなか堪えるものだっだのだろう。
眠れぬ夜が増え、あの頃のようにラウンジで呆然とする日も増えていった。私はその姿を見て、「今度こそ何かせねば」と思った。口では気丈に振舞っていたものの、傍から見れば今にでも師匠の後を追いかねん程あ奴は思い悩んでいたようだし、あの時何もしてやれんかった事への罪滅ぼしもあった。全く自分勝手な話だと思うよ。それでも、私はあ奴の為に何かせねばと居ても立っても居られなかったのだ。
とはいえ私には人の心という物が分からん。どんな悲しみも長い時を経れば和らぐものだが、人の命は一瞬だ。そんなものを待っている暇などない。出来るだけ手っ取り早く気を晴らす方法を模索せねばならん。
そうして私があ奴の行動を注意深く観察していると、あることに気付いた。あ奴が眠れなくなっているのは決まって、雨も風もない静かな夜だったのだ。
私にとって静かな夜と言うのは、とりとめもない思索に耽りながら何にも邪魔をされない実に心地よい物だったが、今のあ奴には、深く物を考えるのも辛かったのだろう。
故に、差し当たって私が解決するべき問題は、この静かな夜をどうやって静かでなくするかという物だった。
そう意気込んだものの、この作戦を実行するにおいて私は早速壁にぶち当たった。
別に音を絶やさんようにするだけなら友人のRBを招いてしこたま酒を飲めば三日三晩は絶えず祭囃子を響かせることが出来るが、少し前にそれをやった時は支部長にしこたま叱られた上に一週間の禁酒令(本当のところは一か月だったのだが本来の姿で泣きながらのたうち回ったら緩和して貰えた)を命じられる事態となった為、そう連発は出来ない。
雨でも降らせば良いのだが、その頃の私にはもうそのような権能は残っていなかったし、湖を吹き飛ばすだけならどうとでも出来るのだが、あの頃とは違って今ではそこら辺の木一本にさえ持ち主がいるような時代だ、不用意に地図を書き換えるような事をしてしまえばクビどころか討伐対象にされかねん。
かといって枕元で昔話でもしてしまえば、私の語る話は刺激が強く、興味深いが故に夜も眠れなくなってしまう。それでは本末転倒という物だ。自らの年の功をこれほど恨む事があろうとはな…
こうして早くに挫折した私は、寮の屋根で途方に暮れ、空を見上げていた。雲一つない夜空に浮かぶ中秋の名月、きっと今宵もあ奴は眠れぬのだろう。私の存在に気付いたのか、最近はラウンジに降りてくる機会も減った。初めは眠れるようになったのかと思ったが、目の隈は一向に消える気配がない。
ーこのままではいけない。焦燥感だけが募り、どこからか現れた雲が月を遮っていく。
辛うじて残された月明かりが照らした芒をぼんやりと眺めていると、ふと懐かしい記憶が頭によぎる。
芒に囲まれたみすぼらしい家に住んでいたあの母子が、一つしかない布団に身を寄せ合い眠っている。屋根の隙間から差し込む月光で淡く照らされた部屋に優しく響くのは、母の子守歌。
ずっと、ずっと昔の筈なのに、思わず口ずさんだその歌は、あの子守歌そのものだった。
それから私は、静かな夜になると決まって歌を歌った。屋根に立ち、周りの人を起こさぬようささやかに、けれど届くべき場所へ届くよう高らかに。
あの母親のようにとはいかずとも、朝日が昇るまで、ずっと、ずっと。
効果があったのかはわからない。声が届いたのかもわからない。もしかしたら、自分なりに整理をつけられただけなのかもしれないが、暫くすればあ奴の目の隈は少しずつ薄くなり、表情も柔らかいものになっていった。
そんなある日の事、私は長期任務を終え、いよいよ底出に帰ろうとなった為、最後にあ奴の名前を聞いておこうと思った。どうせまたすぐに忘れてしまうだろうと思いはしたが、どこかで会った時に、あ奴の事を思い出す助けになるだろうと思ってな。
ー鏑木 風花。コードネーム、戦場の深紅レッドライン
その言葉を聞いた時、私は思わず唖然とした。
人は弱い、100年も生きられず、少しの怪我で死んでしまう上それはオーヴァードであろうとさして変わりはない。
だからこそ引き継ぐのだ。次の世代へ託し、繋ぐのだ。これほどまでに儚く美しい物があるだろうかと、この世にこれほどまで尊い物があるのだろうかと衝撃を受けたのだ。
だからこそ私は願った、彼女が、彼が地平へ引く深紅の色がけして途切れないよう、永久に続いていくように。
それから少し、10年程度の時が経ち、今度はあ奴が私のいる底出を訪ねてきた。どうやら任務の帰りらしい。
私は名を聞くまであ奴があの時の童だと気付かなかったが、成程合点がいった。あの時よりも随分と背が伸びていたし、顔つきも凛々しくなった。人とはあっという間に大きくなるものだと改めて思ったよ。
あの時の事を覚えていたのか、それとも子守歌の正体に気付いていたのかはわからないが、あ奴は久しぶりに出会った私に、色んな話をしてくれた。
とあるチルドレンの教育係になったが、その子が大層可愛らしい。あの頃の自分にそっくりだ。また見惚れるほど狙撃が上手い、繊細で無駄がないのにどこか妖艶で美しい。出会った頃は感情をあまり表に出さない子だったが最近はよく笑うようになった等々...
気付いたか?殆どお前の話だ。あ奴は実に幸せそうに、まるで自分の事かのようにお前の成長を話していたよ。
不思議なものだ、明日への不安と抱えきれぬ責務に押しつぶされそうになっていたあの童が、気付けば名を継いだあの男のように、誰かを導く者になっているのだ。
そうして小一時間ほど惚気話に付き合った後、私は今のうちに、あ奴から『願い事』を聞いておくことにした。
先ほど話したように私の神性は最早尽きかけている。今や九尾も見てくれだけのものであり、異能も消え剛力を持ったただの獣に過ぎん。故に己の存在を保つためにはどんなに小さくとも『信仰』が不可欠なのだ。
信仰と言ってもそこまで大仰なものではなく、要するに誰かが私の事を信じ頼っていれば良いのだ。故に私は出会った人間に「私でも叶えられるような範疇の願い事」を訪ねるようにしている。それ自体が小さな信仰であり、契約でもあるからな。
人間と言うのは満足した頃に死ぬ生き物だ、実際あ奴の満ち足りた表情からは、幾度となく感じた死の気配があった。だからといって、私にできる事はない。そういった死は大抵点によって定められた物であり、そう決まってしまった者は一度死を退けようと、自ら死へ歩み寄るようになってしまうのだ。
だからこそ私はあ奴に聞いた、「お主には死相が出ている、次に会えるかどうかもわからん。何か、私に頼んでおきたいことは無いか」、とな。
答えなぞ分かりきっていた。「私に何かあって、もしもコン太があの子に会うようなことがあったら、あの子の事、見守ってあげてね。(的なニュアンスの事、脳内で風花さん風に再翻訳しといて欲しい。)」と、あ奴は笑って言ったのだ。
「あの子を頼む」と言わないところが、あ奴らしいと感じたよ。
それから暫くして、あ奴の訃報が風の噂で届いた。あ奴に助けられたのは、お前だけではなかったのだろうな。随分と皆から慕われているようだった。
そしてお前がやってきた、という訳だ。
初めはお前があの白いのの言っていた童だなど気付かず「折角の新人だ、ベテランがいっちょ揉んでやろう」と探し回り、見つけたお前は一人射撃場で狙撃の訓練をしていたな。
名前も顔もすっかり忘れていたが、スコープを覗き込むお前の顔を見てすぐに思い出したよ。
ーあぁ、あ奴の言っていたのは、こういう事か、とな。
それほどにお前の横顔は美しかった。迷いを内に秘めながら、真っすぐに何かを見据えるお前の瞳は、あの頃のあ奴にそっくりだったのだ。

...さて、あ奴に関して私が覚えているのはこれで全てだ。全く、お前が眠れなさそうにしていた故、この私の寛大な心によって昔話でもしてやろうと思っていたのに、これでは私の話ではなく、白いのの思い出語りではないか。ぷんすこぷんすこ!
まあなんだ、そろそろ夜も更けてきた。歌でも歌ってやるから、目を閉じてじっとしていると良い、じき眠れるだろう。
...礼など要らん。私はただ、神としての責務を果たしているだけだ。それでも礼がしたいと言うのなら、また何か美味い物でも奢ってくれ。あ奴から色々と教えてもらったのだろう?
大丈夫だ、私が付いている。ゆっくり眠るといい。




...なぁ、風花よ。なんとも穏やかで幼い寝顔なのだ。UGNによると、こやつはまだ5つではないか、まだ赤子同然だ。
お前もそうだ、悠久の時を生きてきた私にとって、お前たち二人は、まだ二つの足で歩き始めた童のようなものだ。
戦場の深紅レッドライン。それは自らの血を以てただひたすらに真っすぐに描く、終わりのない苦行のような物だ。
それを託し託されるには、お前たちはまだ、幼すぎる。

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