ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

アロ - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

アロ

プレイヤー:SHIHO

種族
パイカ種タビット
年齢
13
性別
種族特徴
[第六感][ホイッスル]
生まれ
デーモンルーラー
信仰
ランク
〈始まりの剣〉★
穢れ
0
6
7
9
5
6
6
9
15
10
成長
10
成長
15
成長
2
成長
6
成長
12
成長
9
器用度
24
敏捷度
30
筋力
12
生命力
19
知力
36
精神力
28
増強
増強
2
増強
増強
増強
増強
2
器用度
4
敏捷度
5
筋力
2
生命力
3
知力
6
精神力
5
生命抵抗
16
精神抵抗
18
HP
58+2=60
MP
69+17=86
冒険者レベル
13

経験点

使用
105,000
残り
0
総計
105,000

技能

デーモンルーラー
13
ライダー
13
セージ
4
エンハンサー
2
レンジャー
1

戦闘特技

  • 《魔力撃》
  • 《回避行動Ⅰ》
  • 《MP軽減/デーモンルーラー》
  • 《命中強化Ⅱ》
  • 《バイオレントキャストⅡ》
  • 《防具習熟A/非金属鎧》
  • 《キャパシティ》
  • 《ルーンマスター》

秘伝/秘伝魔法/地域魔法

  • 《古モルガナンシン王国式戦域魔導術》
  • 《スホルテン騎乗戦術》
  • 【戦域魔導術ベロニカ】
  • 【風薙ぎ】

練技

  • [補][準]【ガゼルフット】
  • [補]【キャッツアイ】

騎芸

  • [常]【以心伝心】
  • [常]【攻撃阻害】
  • [常]【騎獣強化】
  • [主]【魔法指示】
  • [常]【魔法指示回数増加】
  • [常]【獅子奮迅】
  • [常]【特殊能力解放】
  • [補]【姿勢堅持】
  • [常]【探索指令】
  • [常]【騎獣超強化】
  • [常]【超攻撃阻害】
  • [常]【特殊能力完全解放】
  • [常]【瞬時魔法指示】

判定パッケージ

レンジャー技能レベル1 技巧 5
運動 6
観察 7
セージ技能レベル4 知識 10
ライダー技能レベル13 運動 18
観察 19
知識 19
魔物知識
+2=21
先制力
0
制限移動
3 m
移動力
32 m
全力移動
96 m

言語

会話読文
交易共通語
神紀文明語
パイカ語
魔法文明語
魔神語
ドラゴン語
汎用蛮族語

魔法

魔力行使
基準値
ダメージ
上昇効果
専用
デーモンルーラー技能レベル13 召異魔法 +1=20 20 +0
技能・特技 必筋
上限
命中力 C値 追加D
デーモンルーラー技能レベル13 12 17
《命中強化Ⅱ》 2
武器 用法 必筋 命中力 威力 C値 追加D 備考
[魔]〈デモンズブレード〉[刃] 1H 1 19 50 10 20 MP3 補助動作 10秒(1ラウンド)持続 ダメージをHPとMPどちらに与えるか都度選択可能
技能・特技 必筋
上限
回避力 防護点
デーモンルーラー技能レベル13 12 18
《防具習熟A/非金属鎧》 1
《回避行動Ⅰ》 1
[魔]〈ブラックベルト〉 +1
防具 必筋 回避力 防護点 備考
〈滑り落ちるアラミドコート〉 5 +1 2 知識判定パッケージ+1 
他1 〈攻撃阻害〉 +1
他2 〈超攻撃阻害〉 +1
合計:デーモンルーラー/他1+他2 21 1
装飾品 効果
[魔]〈叡智のとんがり帽子〉 魔物知識判定+2
[魔]〈ラル=ヴェイネの観察鏡〉 魔物の弱点値を4点低いものとする
[魔]〈召異の徽章〉 専用(MP)専用化済
[魔]〈ロッセリーニの調声器〉 専用(HP)専用化済
背中 [魔]〈ラル=ヴェイネの肩掛け〉 補助動作・戦闘準備で選択した「土」「水・氷」「炎」「風」「雷」「衝撃」「断空」のいずれか1つの属性に対して、生命・精神抵抗力判定+1、受けるHP・MPへの物理・魔法ダメージを‐1 1ラウンド(10秒)持続
右手 [魔]〈能力増強の腕輪(疾風の腕輪)〉 敏捷度+2 壊すと+14
左手 [魔]〈ラル=ヴェイネのマナリング〉 ダメージ魔法のダメージを+2 ラル=ヴェイネの宝飾品効果(合計4点)により精神力+2
[魔]〈ブラックベルト〉 防護点+1
[魔]〈ラル=ヴェイネのダウンルッカー〉 常に「足場が悪い」状態になる(飛行・騎乗中などは無問題)魔力+1
[魔]〈セービングマント〉 回避や抵抗の失敗時に受ける魔法ダメージ‐4
所持金
1,590 G
預金/借金
G

所持品

ロッセリーニの印形絵具×10
ロッセリーニの魔導筆
アビスシャード×21
魔晶石(5点)×60
魔晶石(3点)×30
魔晶石(2点)×30
アウェイクポーション×3
ファストボウ×2
送還供物(9000G)×3

冒険者セット
使いやすい調理道具セット
ティーセット
着替えセット
防寒具
軽い羽根ペン
白紙の紙×2(40ページ)
保存食(一週間分)×3

名誉点
200
冒険者ランク
〈始まりの剣〉★

名誉アイテム

点数
冒険者ランク1,500
秘伝/秘伝魔法/地域魔法0
〈ロッセリーニの調声器〉0
〈ロッセリーニの魔導筆〉0
〈召異の徽章〉専用化0
〈ロッセリーニの調声器〉専用化0

容姿・経歴・その他メモ

相棒のドラゴン
・ここ3年くらいはずっと一緒に旅をしている。
・主を割と雑に扱う。咥えるし放り投げる。怪我はさせない。怒られてもなんかきゃんきゃん言ってるな、くらいにしか思っていない。
・内心、自分が面倒を見てやっている側だとすら思っている。
・いつかちゃんと買い取ると約束されているが、一向に金のたまる気配がないので呆れている。

履歴

同族たちの多くがそうであるように、アロもまた好奇心の赴くままひたすらに真実を追い求める知の探究者のひとりであった。

ただひとつ、召異術師を志してしまったことを除いて。
あの日禁書に手を伸ばしさえしなければ、アロは今もあの小さな村で細々と、しかし平穏に暮らしていたかもしれなかった。

召異術師への偏見はいまだ根強く、山奥の集落ともなればなおさらだ。
引きこもって本ばかり読んでいたアロはただでさえ周囲との関わり合いが希薄で、あっという間に村中から嫌厭される存在になった。


――馬鹿な奴らだ!魔神を恐れればこそ、まずは奴らを知るべきだろうに!


ちょっとやそっとの嫌がらせでは、アロは屈しなかった。
むしろ心の底から彼らを軽蔑した。埃を被ったくだらない価値観に囚われたまま、たいして長くもない生を無駄にしてしまえ。

アロは村を出た。逃げたのではない。己の持つ才覚を磨くべく、都会の学校に通うことを決めたのだ。



アロは決して馬鹿ではない。二、三と町を転々とするうちに、学んだ。召異術師であることが知られて、良いことなどなかった。町を発つそのたびに、貴重な学びの機会を喪失したことだけが悔やまれた。
この町でもそうなることは避けたかった。
だから隠した。表向きは王都勤めの学者を志す陰気な少年を装った。どれだけ欲が湧き立とうとも、人前では絶対に、たとえ子供向けの絵本であろうと、魔神や魔神という言葉が出てくる本を読むことすらしなかったのだ。

あの村の中にあって、アロより優れた才能を持つものはいなかった。それを肯定する村の者たちが苦虫を嚙み潰したような顔をしていたとしても、そのことは自他共に認める事実であった。
アロの自尊心は肥大化していた。それがあっけなく打ち砕かれたのは、初めての期末試験の結果が掲示された日だった。

その日アロは、自身の名前が表のいちばん上で燦然と輝いているさまだけを思い描いていた。
いつになく速足で向かったそこにあったのは己の名と、その上の、アロのものよりわずかに大きく記された女のものらしき名。


――負けた?僕が?

――女の名だろうか?いったい、どこの誰だ。


アロは彼女を探し回った。ひとまず、同じクラスの同級生でないことだけが分かった。

アロには友達がいない。それは、陰気な少年を装っているつもりの彼がもとより根暗な性格であり、周囲の人間を少々見下しがちで自分から他者と関わろうとはせず、いつも教室の隅で本を読み、放課後は何にも目をくれず直帰し魔神の研究に明け暮れていたからだった。
だから、彼女を見つけようにも、コネクションがなかったのだ。クラスの内のことは自身でわかるとしても、ひとたび小さな教室の外に出てしまえば他の学生についてアロにわかることなど、制服のタイの色で判別できる相手の学年くらいのものだった。

むしゃくしゃしたアロは、珍しく放課後図書室に寄り道をした。未知の書物との出会いの高揚が、この苛立ちを鎮めてくれるかもしれないと思ったのだ。

頭の中を占めるのは、未だ見ぬ、自分を初めて負かしたあの名の主のことばかり。
ゆっくりと書架の間を行くアロは本を物色しているようで、その実目の前に並ぶ本のことなど少しも考えられていない。
今はもう絶版となった古い本も、ここにしかない貴重な記録も、最新の論文も、何もかもアロの足を止めることはできなかった。

不思議なもので、アロは気づけば魔神に関する書物が集められた棚のもとに立っていた。何度も通った場所というわけでもないのに、無意識とは恐ろしい。
そのうちの一冊に、アロはおもむろに手を伸ばす。自力で、なおかつできるだけ人目につかないように入手できる、魔神に関する書物の数などたかが知れている。そこはアロの興味を掻き立ててやまない、まさしく宝の山だった。


――こんな、天国のような場所があったなんて!


一瞬我に返って周囲を見渡したが、魔神に関する本棚は広く入り組んだ図書室の最奥にあったし、入室してからここまで他の学生の姿はひとつだってなかった。きっと皆、部活動に励んでいるか、友人と街に繰り出したりでもしているに違いない。

アロはその場に腰を下ろして本を開いた。未知がアロを呼び立てるままに、無心でページをめくった。


「魔神の勉強?」


自身と本に落ちた大きな影と、その声に、アロは驚き飛び上がった。

僕はタビットだぞ。ヒト一倍感覚は鋭いはずなのに、その接近に気づくことができなかった。夢中になりすぎていたのか。
いや、そんなことはどうでもいい。

見られてしまった。魔神の本を夢中で読みふけっている姿を。

面倒なことになる。他人からどう思われようと知ったことではないが、学びの時間を奪われることだけは避けたかったのに。

どう誤魔化そうか。そもそも誤魔化しが効く状況だろうか。アロが思案する間もなく、少女はアロの隣に躊躇いなく座った。


「魔神、怖くないの?」


少女の口から飛び出したのがあまりにも馬鹿げた質問だったから、アロは直前までの焦燥などすべて忘れて、まくしたてるようにして答えた。


「怖いからこそ学ぶんだろ。知らなければ、戦うこともできない。魔神に怯えるばっかりなんて、馬鹿のすることだ。第一――


少女がくすくすと、鈴を転がしたように笑った。


「ごめんね。馬鹿にしようとしたとか、そんなんじゃないの」


じゃあ、なんだ。


「私も、魔神使いへの扱いは、間違っていると思う。その力を悪用している人はともかく……魔神について誰よりも詳しい彼らは、魔神に対抗するうえでこの上なく頼もしい仲間だわ」


アロが猜疑心に満ちた冷たい視線を向ける。


「あ、疑ってる!?私も魔神について学ぶべきだと思ったの。本当よ。でなきゃ、こんな奥の奥までわざわざやってこないわ」


一理あるか。ひとまずは納得したが、アロの小さな耳は少女を探るようにぴくり、ぴくりと揺れていた。


「私、将来は冒険者になりたいの。といっても魔神使いを目指しているわけじゃないんだけど。でも、知っていて損はないでしょ?」


いたずらっぽさを滲ませながら花が綻ぶように笑って見せた彼女は、アロの柔らかな毛並みの手を取って、続けざまに言った。


「ね、明日もここに来る?私、キミともっと話がしてみたいの」




弱みを握られた。少女の勢いに絆された。初めて他者に召異術師としての自分を受け入れてもらえたのが嬉しかった。
二度目の逢瀬の理由は、そのどれであったか、あるいはすべてであったか。そんなことは、些事だった。
あの日、掲示板のいちばん上で輝いていた女の名の持ち主が彼女であったことですら、アロにとってはどうでもよくなっていた。

それくらいに、彼女との時間は楽しかった。
対等に語らえるだとか、自分を偽らずにいられるだとか、それだけではなかった。それだけではなかったと、今なら、言える。

もとより素直な性格の彼女だったが、彼女の右肩に咲いた白い花は彼女以上に雄弁で、彼女が嬉しい時には光すら放っているのではないかと勘違いするほど色鮮やかに咲き誇り、彼女が悲しい時には萎れて色もくすみ、触れればすべて散ってしまいそうに見えた。
だから他人を信じられなくなっていたアロも彼女を疑わずに――いや、疑うことすらできなかった。

おしゃべりな彼女が透き通った声でアロに語りかける。アロは口数が多い方ではなかったけれど、彼女がそれでいやな顔をすることは一度だってなかった。時折アロがする短い相槌にすら、やたら嬉しそうに笑うのだから。
それでも、アロが本当に集中したい時には、決して邪魔をしない。むしろ、気が付いたら彼女も隣で本を読んでいる、ということが多々あった。アロの感覚が鈍いということはなかったし、彼女は元来気配が薄い方なのかもしれない。

広大な図書室の片隅で過ごした、窓から差し込む橙色の遮光に照らされたあたたかな時間は、アロの凍った心をも溶かした。
以前よりも、性格だけではなく表情からよほど柔らかくなったアロは、いつの間にやら周囲とも打ち解けて、友人と呼べる存在もできていった。
そんなアロの変化をまるで自分のことのように喜んでくれた彼女に、それでも召異術師であることを隠さずに本当の自分でいられるのは君の前でだけだと告げれば、彼女はほんの少し哀しそうな目をしながら笑った。

いつからか、彼女は夢の話をするとき、いつも同じ言葉で締めくくるようになった。


「私が旅に出るときは、アロも一緒がいいな」


自分の体が他種族に比べてまるで頑丈でないことを、アロは知っている。というよりも、周知の事実であるはずで、むしろ彼女が執拗に自分を冒険者の道へ誘うことの方が理解できなかった。




卒業後、彼女はひとりで冒険者になった。

結局、アロは冒険者にはならなかった。
もちろん、召異術師であることも、あの日以降は徹底的に隠し通した。隠し通して、しがない学者として生きていくことを選んだ。
彼女は、最初のほうこそアロのもとを訪れるたびに“やっぱり一緒に冒険者をやってほしい”とごねていたが、アロの意思の固さを見て諦めたようだった。

依頼を受けた彼女が魔物対策の相談がてら、行先の町の話と土産の希望を聞きに来る。そうして幾日か待つと、頼んだものの他にも大量の土産を細い腕いっぱいに抱えた彼女が、ドアを開ける手がないからとアロを呼ぶ声が聞こえてくるのだ。
彼女の土産話を聞きながら、彼女が好きだといったフルーティーな香りの珈琲を片手に、菓子をつまむ。
いつかの穏やかな時間は、時間も場所もふたりの関係も、何もかもが変わってもなお、たしかにそこにあった。

――あった、のに。




ある日、町を魔物の群れが襲った。冒険者が総出で防衛に当たったが、すべての魔物の侵入を防ぎきることはできなかった。

逃げ惑う町民たちのなかにアロの姿もあった。小さな体のアロは、半狂乱の人々に押し倒された挙句踏みつけられ、魔物に襲われるまでもなく既にボロボロだった。
追い打ちのように防壁を悠々と越えてきた魔物がアロの前に降り立った。

――ああ、ここで終わりか。

こうも眼前に“死”が迫ると、いっそ冷静になってくるというものだ。
幸い、村を出たあの日から家族はなく、遺していく不安のあるものもない。先日研究は一区切りを迎えた。仕上げた論文はあらゆる保護魔法を重ね掛けされた金庫にしまってあるし、僕がここで死んだとて彼女がきっと――

そうだ。彼女。彼女に、会いたかった。死ぬ前に。死んでしまうと、わかっていたのなら。

なぜ、死を前にして思うことがそれなのか。家に引きこもって本ばかり読んでいた僕にも、とっくにわかっていたことだった。

彼女を愛していた。朗らかに笑う彼女こそが、僕の幸福のすべてだった。
陰気な性格が、種族の差が、僕が世に疎まれる召異術師であることが、僕の口を噤ませていたけれど。

こんなことになるのなら、せめて伝えておけばよかった。返事がどうあれ、彼女はそのどれも気にするようなひとでないと、わかっていたのだから。

振りかざされた鍵爪が鈍く光って、アロは目を伏せた。
次に聞こえたのは魔物の断末魔だった。

恐る恐る目を開けたアロを、彼女が強く抱きしめた。
無事でよかったと目にいっぱいの涙を溜めて彼女は言う。それからアロの土まみれでところどころ血も流れている体を見て目を丸くし、全然無事じゃなかった、ごめんね、と泣きながら謝るのだ。


「なんで君が謝るんだ。変なやつだなあ」


あとでどんな罰則を受けようものかもわからないのに、戦う術を持たないアロのもとへ私情一つで彼女はやってきた。
それがどれほど嬉しいことか。

命も救ってもらった。礼を言いこそすれ、謝られるなんてとんでもなかった。

彼女が耳につけたピアスが、淡く光った。耳に手を当て何事か通信を受け取った彼女は、その様子を心配そうに見つめるアロを安心させるように微笑んだ。


「もうほとんど片付いたって。負傷者は神殿に集まってるみたいだから、アロもそこで治療してもらわないとね」


額の汚れを拭ってくれる彼女の手つきがくすぐったくて、アロは耳を震わせる。


「わかったよ、後で行く」

「後で!?ダメ!すぐに行って!……ううん、やっぱり私がこのまま連れて行く!アロ、放っておくと先に家の確認に行ってから~とか、研究室が~とか言って、後回しにしそうだから!」

「わ、わかったから」


いつかアロが風邪を放っておいて悪化させた日のことを持ち出して頬を膨らませる彼女を、アロはいとおしげに見つめていた。

先ほどの後悔が頭を過り、アロは差し伸べられた彼女の手を取りながら、言葉を紡ぐ。


「なあ、僕の治療が終わって、君の方も落ち着いたら、またうちに来てくれないか。今回のお礼もしたいし」


君に伝えたいこともあるんだ――

その言葉は、舞う血しぶきと、眼球が零れ落ちそうなほど見開かれた彼女の瞳の奥の暗闇に、飲み込まれて消えた。

彼女が切り伏せたはずのソレは、最期に一矢報いんと、己の命を奪った彼女に鋭い爪を深く突き立てたのだ。

今度こそ絶命した魔物と目の前の彼女とが、力を失って倒れこむのは同時だった。
アロは咄嗟に彼女を受け止める。応急処置を施そうと試みるが、その手を彼女が掴んだ。

もう助からないから、自分でわかるの、と掠れた声で話す彼女に、アロは必死に首を横に振る。

どのみち長くない命だったのだと、彼女は続ける。寿命が迫っていたのだと。でも。それとこれとは、別だろう。

彼女は、辛そうに喘ぎながらも懸命に話し出した。アロが無理をするなと言っても、今言わなくてはいけないのだと言って聞かなかった。

短く定められた己の生に絶望し、夢もあきらめかけていた彼女は、あの日、どれだけ周囲から蔑まれようと己の進む道に確固たる自信を持ち、目標に向かって努力を重ねるアロの姿を見て、もう一度夢に手を伸ばそうと思えた。
今の自分が冒険者として、世界中を巡る夢をかなえられたのは、アロのおかげなのだ。

そう途切れ途切れに語る彼女の声には、ヒュー、ヒュー、と息の漏れる音が混じる。


「なにより、アロと過ごす時間が、本当に、幸せで」


恥ずかしそうにはにかんだ彼女が、弱々しく震える左手でアロの頬を撫でた。


「これは、秘密だったんだけど……あのお気に入りの珈琲も、ひとりで飲んでみたら、あんまりおいしくなかったの。きっと、アロが、最初に淹れてくれたのが、あれだったから……それか、私が上手じゃなかっただけかも」


彼女が笑わせようとして言ってくれているのはわかった。けれど、アロにはどうしても、作り笑顔さえ浮かべることはできなかった。

さすがに笑ってくれないか、と彼女は困ったように眉を下げた。


「私、幸せだったよ。アロが、そう思わせてくれた。だから、アロも」


そう思ってくれていたら嬉しい。か。
幸せになって。だったかもしれない。
後悔しないように生きて。それが君の願いだったなら、もう無理だ。一生消えない後悔が、残ってしまった。

彼女が最後に紡ごうとした言葉が何だったのか。彼女以外に知る者はなかった。




いちばん大切なものを失ったアロは、それでも立ち上がった。

町の復興が進んだころ、アロは冒険者ギルドの門を叩いた。

彼女があれだけ熱心に自分を冒険者に誘っていた理由が、やっとわかった。
彼女は、冒険者ギルドにおいて召異術師が広く受け入れられていることを知っていたのだ。
もちろん皆が皆、というわけではなかった。あからさまな警戒心を向けてくる冒険者も少なくない。日々魔神の脅威と最前線で戦っているのだから、無理もないだろう。
それでも、気のいい者たちも多かった。アロを受け入れるどころか、その知恵を、力を、心から頼りに思ってくれた。
彼女は、アロに彼女以外にもたくさんの居場所ができるようにと、願ってくれていたのだ。

それに、この生き方は存外性に合っていた。持て余していた力を存分に振るえるというのは、心地の良いものだった。
彼女は、そこまでわかっていたのだろうか。

君がいなくなってしまってもなお、君のあたたかさを感じられた。君はすごいひとだ。本当に。

どうせなら、君が誘ってくれたあの時に、一緒に冒険者になっていればよかったな。
そうしたらきっと、君は見たこともないようなとびきりの笑顔で一緒に旅に出られることを喜んで、君は僕の親かってくらいに僕のすごさを皆に自慢して回って、勝手に依頼を受けてきては引きこもりがちな僕を強引に連れ出して、でもそれが僕も嫌じゃなくて。何度も危険な目に合うけれどどうにか乗り越えたあとで、全身ボロボロの僕を見た君はひとしきり心配してから、大変だったねっておかしそうに笑って。それどころじゃないって怒る僕を見て、君はまた笑うのだろう。
そうしていれば、あんなことには――いや、いけない。後ろばかり見るのはもうやめたのだ。

あの日から、君の夢を何度も見る。それも普段の何気ない君の夢ばかりで、死に際の姿を見たことがないのは、君が僕をつらい記憶から守ってくれているからかもしれないなんて思ったりもする。いや、君が見られたくないだけかな。きれいな時だけ思い出してほしいに決まってるって、君なら言いそうだ。

――今、ちょっと見栄を張ってしまった。本当は、出会った時から、君の夢ばかり見ていたんだ。
僕の中にはいつだって君がいて、これからもそれは変わらない。




僕は、君がおもってくれていたようなヒトじゃない。
僕を蔑んできた者のことは、馬鹿な奴らだとそれ以上に見下してやった。そうでないひとにまで、きっと僕を疎むに違いないと決めつけて、おなじように接した。
召異術師を目指したのだって、初めこそ純粋な興味と、これこそが世界を救う道だと信じたからだったかもしれないけれど、村を出たあの日からはアイツらを見返してやるんだって気持ちの方が強かった。自信も、あったんじゃなくて、進むしかなかっただけだ。僕は正しかったと、そう信じたかっただけだ。

僕を変えてくれたのは他ならない君だった。君がいなければ、僕はもっとずっと嫌な奴になっていたに違いない。

僕の人生を彩ってくれたのも、君だ。君がいなければ、僕は珈琲の味どころか、夕焼けの色も知らないままだっただろう。

君の夢が世界を見て回ることだったなら、僕が引き継ごう。
君がおもってくれた僕であり続けられるように、召異術師として堂々と生き抜いてやる。なんなら、ついでに世界も救って、召異術師への偏見だって取っ払ってみせよう。

いつか、君にまた会えたとき。
今度は僕が土産話をするから。そのときは、いつもと逆ね、なんて笑いながら聞いてほしい。






経歴:A-1-1 大恋愛をしたことがある
   B-6-5 引きこもっていたことがある
   B-2-2 同じ夢を何度も見ている

旅に出た理由:2-3 目指すべき場所がある
   

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 ガメル 名誉点 成長 GM 参加者
キャラクター作成 105,000 210,000 1,700 器用×10
敏捷×15
筋力×2
生命×6
知力×12
精神×9
能力値作成履歴#510374-2
取得総計 105,000 210,000 1,700 54

収支履歴

レッサードラゴン レンタル::-36000
ラル=ヴェイネのダウンルッカー::-28000
ラル=ヴェイネの観察鏡::-20000
叡智のとんがり帽子::-12000
ロッセリーニの調声器::-1000
ロッセリーニの印形絵具×10::-1000
ロッセリーニの魔導筆::-2000
召異の徽章::-200
ラル=ヴェイネの肩掛け::-15000
能力増強の腕輪(疾風の腕輪)::-1000
ブラックベルト::-3000
セービングマント::-8000
アラミドコート::-750
アビス強化::-4000
魔晶石(5点)×60::-30000
魔晶石(3点)×30::-9000
魔晶石(2点)×30::-6000
アウェイクポーション×3::-300
ファストボウ×3::-3600
送還供物(9000G)×3::-27000
冒険者セット::-100
使いやすい調理道具セット::-50
ティーセット::-60
着替えセット::-10
防寒具::-80
軽い羽根ペン::-50
白紙の紙×2::-60
保存食(一週間分)×3::-150

チャットパレット