ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

古ぼけた日記帳 - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

古ぼけた日記帳

基本取引価格:取引不能
知名度
形状
黒い革装丁の古びた手帳。
カテゴリ
その他
製作時期
現在
概要
黒い革装丁の古びた手帳。この本の持ち主は、毎晩のように何かを書き記しているようだ。
効果

日記帳

最終更新日[2/3]

2月
2/1『マッド・マッシュ・ラッシュ!』

今日は、飛空艇が飛び立つ日だった。
窓の外、何処までも広がる空は本当に綺麗だったけれど……ボクはどうしても怖くて、酒場に逃げ込んでしまった。

気が付けば、そこには人が沢山居た。
昨日甲板で話したレイチェルさんもいて、少しだけ怖さが紛れた気がする。みんなが楽しそうに話している所を見たら、なんだか気が抜けてきて。「あぁ、なんだ。全然平気じゃないか」って、そう思えた。

それから、キノコを採りに山へ行くことになった。
頑張って採取しないと、今日の夕飯が寂しいことになるらしい。
みんなの夕飯が無くなってしまうのは、とても悲しい。だから、頑張ろうと思えた。

山に行くと、色とりどりのキノコがそこにあった。
一人で過ごした山とは、また全然違っていて。こんな場所もあるんだって、そう思った。
奥に進んでいくと、変なキノコが出てきた。手足が生えて、動いていて、襲ってきた。
少し、怖かった。

更に奥へ行くと、蛮族が居た。
そいつはボク達の事を”タケノコ派”だとか言って、襲いかかってきた。
言っていることは変だったのに、使う魔法は雷で。……本当に、恐ろしい敵だった。

敵を止めきれなくって、後ろに居たシトネさんが、倒れた。
ボクが仕留めきれなかった敵のせいで、レイチェルさんも、ミハイさんも倒れかけてた。
ナナさんがボクに回復をかけてくれて、マルセルさんが、ボクに命を預けてくれた。

死にたくないって、死んじゃダメだって。
そう、強く思った。みんながみんな、必死で、全力だった。

なんとか蛮族を倒せたのは、奇跡みたいだった。
ミハイさんが敵を転ばせてくれなかったら、今ごろどうなっていたか。
想像するだけで、まだ指先が冷たくなる。

これが、冒険者。これが、命をかけて戦うってことなんだ。

今のままじゃ、ダメだ。もっと強くならないと、次はみんなを死なせてしまうかもしれない。
強くなろう。そう決意しながら、船へと戻った。

依頼品のキノコで作ってくれたシチューは、暖かくて優しい感じがした。
……でも、やっぱり味は分からなかった。

それでも、みんな生きていてくれて、笑い合っていて。
それを見て、ようやく一息つけた気がした。

2/1『種モミじゃ~~』

今日も、空の旅は続いている。
あんなに怖かったのに、数日も経てば平気になってしまうなんて。慣れって、すごい。

酒場で窓を眺めていると、依頼を受けることになった。
昨日一緒だった人もいて、なんだか安心した。

言われた通り村に行ってみると、そこでおじいさんが泣いていた。
ボク達を見るなり、勢いよく駆けつけてきて……腰にくっつかれた時は、少し驚いた。

話を聞くと、蛮族が食料を奪いに来るらしい。
このままじゃ、種もみすら奪われて、村は冬を越せないって。

村。蛮族。襲撃。
どこか他人事には思えなくて、握りしめた手に爪が食い込む。
絶対に助けないと。そう、強く思った。

おじいさんに蛮族の来る方角を聞き出して、ボクは「探しに行こう」って提案した。
悠長に待っていられなかった。でも、「すれ違いになったらどうするんだ」って止められた。
……確かに、その通りだ。ボクは、周りが見えていなかった。

結局、罠を作る班と、探索する班に分かれることになった。
ボクは外へ、蛮族を探しに行った。

足跡をたどった先に、奴らはいた。
……50体くらい。あの時より、ずっと多い数だった。

でも、今なら。ボクも強くなったし、強い仲間もいる。もしかしたら、勝てるんじゃないか。そう思って、前に出ようとして……やっぱり止められた。
「冷静になれ」って。……皆、ボクよりずっと大人だった。

一度合流して、村で迎え撃つことになった。その前に、少しでも数を減らしておこうと、ミハルさんが取り出したのは”火”と”油”だった。このあたりには枯れ草が多いからって。

油が撒かれ、火が放たれると……あっという間に燃え広がって、蛮族たちを飲み込んでいった。ボク達は走って逃げた。
村に戻ると、罠を張っていた方達が、燃える森を見て驚いていた。
特に、イオスさんには ……。悪いこと、しちゃったな。

そして夕方。 頭を焦がした蛮族達が、恐ろしい形相で村にやってきた。
すごい殺気だった。なんでだろう。

けれど、火のせいか罠のおかげか、敵の数は両手で数えられる程度になっていた。
これならいける。そう確信して、みんなで戦った。

結果は勝利。なんとか村は守れた。
誰かを失うことなく、皆で乗り切れた。

……あの時も、信じてくれる仲間がいれば、変わったのかな。

戦いの後、おじいさん達が様子を見に来てくれた。
良かった、無事だったんだ。そう安心した時、カタハさんに声をかけられた。

「顔に血がついちゃってますよ」

一瞬、喉が鳴った。
ただの返り血だって、分かってる。
なのに、つい「違う」って叫びそうになって。差し出されたハンカチを見て、ハッと冷静になった。

「ありがとうございます」ってお礼を言って、すぐに血を拭き取った。
ちゃんと、笑顔、出来てたかな。変に思われてないと、いいけど。

2/2『やっちゃいなよ!そんな偽物なんか!』

今日の飛空艇は静かだった。
なんとなく、部屋ではなくホールで日記を書いていた。
気がつけば色んな人がそこにいた。みんな、本を読んだり書いたりしていた。
こういう雰囲気は、なんだか好きだった。

そうしていると、ホールにとある人がやってきた。
ギルドマスターのサイモンさんだ。この船のオーナーでもあるらしい。

今日はこの人からの依頼を受けることになった。
どうやら、とある街で行われる会議への道中を護衛してほしいみたい。
この船とは別の、小型だけど多くの人が乗れる船で向かうみたい。……飛空艇って、色んな物があるんですね。

そうして、ちょうどホールに集まっていたボク達7人は船に乗り込んだ。
偉いらしいおじさんと、サイモンさんを護衛するために。

今日もマルセルと一緒だった。
マルセルは頼りになる。毒の魔法で一瞬で倒す姿に、少し憧れてしまう。
ボクも、彼のように強くなりたい。そう思った。

彼と隣同士で座って、話しながら会議へ向かう。
そうそう、この椅子がすごくやらかくて、すごく心地良いものだったんだ。
しーとべると?の使い方をマルセルに教えてもらい、準備は万全だった。

暫く快適な旅が続いたけれど、ふと窓の外をみると……黒い雲が見えてきた。
雷雲だ。進行方向的に避けられないらしい。
雲の中に入ると、激しい音と揺れが飛行船を襲った。怖くて、少し涙が出そうだった。
マルセルが手を握ってくれて、それでようやく落ち着いた。

雲を抜けると、ようやく揺れが落ち着いて……でも、それで終わりじゃなかった。
船に、カボチャ頭の侵入者が来たんだ。それも、サイモンさん達を狙ったやつが。

ボクは立ち上がって戦おうとしたけれど、周りに人が多すぎた。
誰かが巻き込まれてしまうかもしれない。マルセルに促されて、ボクは機会を伺うことにした。

武器をいつでも抜けるようにして、じっと待つ。
すると、上役のおじさんが急に喋り始めた。それも、侵入者の……テロリストの神経を逆撫でするような言葉を。

危ないって、そう思った時には、すでに銃口が向けられていた。
撃鉄が引かれる寸前、マルセルがおじさんに魔法をかけた。──障壁だ。
おじさんが撃たれた瞬間、ボクは駆け出した。おじさんの近くにいた敵を斬り伏せ、かばう形を取る。幸い、おじさんは生きていた。

その隙に、他の仲間達が敵を倒し、乗客を端の方に移動させていた。
これで、ようやく戦える。ボク達は武器を構えたり、赤い思想を垂れ流したりして、臨戦態勢に入った。……その時だった。

いきなりハッチが開いて、黒ずくめのタイツと、カボチャを被った謎の男二人が船に突入してきた。呆気にとられていると、彼らはサイモンさんに向かって──反省を促すダンスを初めた。
ど、どういうことなの!?

彼らも敵に違いない。多分。
少し複雑な気分になりながら、ボク達は戦闘を始めた。

テロリスト達は数が多く、首謀者であるカボチャ頭は遠くから銃を打ち込んでくる。
謎の男達は踊っていて、サイモンさんに猛烈に反省を促している。
たまに毒のブレスを放ってくるけど、そのお陰でテロリストも倒れていった。
味方ではないけど、敵ってわけでもない……のかな?

ある程度戦いが続くと、彼らはサイモンさんの反省に満足したのか、他の人達を狙い始めた。
ボクにも、その矛先が向いた。

ダンスを見せつけられた瞬間、反省したい気持ちが溢れてきて。
ボクの後悔が、謝罪が、口をついて出た。

……兄さん。ごめんなさい。

思わず涙が出てしまった。そんな資格なんて、ボクにはないのに。
戦いの手が止まりそうになって、その隙に飛んできた攻撃を、イズンさんが庇ってくれて。
イズンさんが、倒れてしまった。

ボクのせいだ。
ボクが、泣いてしまったから。

ボクはがむしゃらに叫びながら、目の前の敵に斬り掛かった。
後ろでマルセルが何かを言っている。ミハイが攻撃を合わせくれている。
ぼんやりとそれを理解しながら、ただただ武器を振り回した。

気がつけば、目の前の相手は倒れていた。
黒ずくめのタイツ達は、戦闘が終わったのを見ると窓を開け放ち、外へと飛び出していった。
幸いなことに、イズンさんは死んではいなかった。ただ、衝撃を受けたからなのか、すこしぼんやりとした様子だった。……ボクが、もっとしっかりとしていたら。

気を取り直して、ボク達は護衛を続けた。
でも、その後は何も起きることはなく、無事に街にたどり付き、会議が行われた。
こうして、この日の依頼は終わった。

イズンさん、起きてからずっとそわそわしていたけど……。まだ、痛むんだろうか。心配だ。
明日はもっと、しっかりしなきゃ。

製作者:マヨネズ